MC4コネクタは太陽光発電システムの配線に使われる部品。
電気の通り道として、パネル間やポータブル電源への接続に活躍します。
カチッとはまる安全設計で、誤接続を防ぎます。仕組みや種類、選び方の基本を解説!
MC4コネクタってなに?
太陽光発電システムを設置するとき、「MC4コネクタ」という部品が使われます。
これは、太陽光パネル同士をつないだり、発電した電気を送ったりするときに活躍する、いわば電気の通り道のようなものです。
例えば、6枚の太陽光パネルを設置する場合、MC4コネクタは12個必要になります。
太陽光パネル1枚につき、プラスとマイナスの2つのコネクタが必要だからです。
MC4コネクタの仲間たち
太陽光コネクタには色々な種類がありますが、MC4コネクタはその中でも一番よく使われています。
MC4コネクタの名前の由来
MC4コネクタは、Multi-Contact(マルチコンタクト)社(現在のStäubli Electrical Connectors社)が開発しました。
「MC」はMulti-Contact社の頭文字、「4」はコネクタの金属部分の直径(4mm)を表しています。
MC4コネクタのしくみ
MC4コネクタは、オス型とメス型の2つがセットになっています。
オス型はピン状、メス型はソケット状になっていて、カチッとはめ込むだけで簡単に接続できます。
ただし、一度接続すると簡単には外れないようになっています。
これは、引っ張る力で誤って外れるのを防ぐためです。「ポジティブロック機構」という仕組みで、安全性が高められています。外すときには専用の工具が必要になります。
MC4コネクタの歴史
MC4コネクタが登場する前は、「MC3コネクタ」というものが使われていました。
しかし、MC3コネクタは、強い力がかかると外れてしまうことがありました。
そこで、MC4コネクタが開発されました。MC4コネクタは、ポジティブロック機構によって外れにくくなり、より安全に使えるようになりました。
MC4コネクタはどこで使われているの?
MC4コネクタは、主に太陽光発電システムで使われています。
太陽光パネル同士をつないだり、発電した電気をパワーコンディショナー(電気を家庭で使える形に変える装置)やポータブル電源に送ったりする役割を担っています。
太陽光パネルには、小型のものから大型のものまでありますが、MC4コネクタは、どんなサイズのパネルにも対応できます。
太陽光パネルのつなぎ方
MC4コネクタを使うと、太陽光パネルを直列や並列につなぐことができます。
- 直列つなぎ:パネルのプラス端子とマイナス端子を交互につなぎます。電圧を高くしたいときに使います。
- 並列つなぎ:パネルのプラス端子同士、マイナス端子同士をつなぎます。電流を大きくしたいときに使います。並列つなぎをする場合は、専用の分岐コネクタなどが必要になります。
MC4コネクタの性能
MC4コネクタの主な性能は以下の通りです。
- 直径:4mm
- 対応できる電流:最大30A
- 対応できる電圧:最大1000V(ヨーロッパなどの規格)、最大600V(アメリカの規格)
- 使える配線の太さ:2.5〜6.0mm²
- 接触抵抗:0.5mΩ未満(電気が流れやすい)
- 保護等級:IP67(水やほこりに強い)
- 使える温度:-40℃〜+85℃
MULTILAM(マルチラム)技術
Stäubli Electrical Connectors社が開発したMULTILAM技術は、MC4コネクタの接続部分にバネのような力を加えることで、電気が流れやすく、長持ちするように工夫されています。
MC4コネクタの良いところ、注意点
良いところ
- みんなが使っている:太陽光発電の接続では一般的なので、多くの製品に対応しています。
- 取り付けやすい:比較的簡単に取り付けられます。
- 長持ち:丈夫な素材でできていて、長く使えます。
- 電気が流れやすい:電気のロスが少なく、発電効率を高めます。
- 安全:感電や火災のリスクを減らせます。
- 水やほこりに強い:屋外でも安心して使えます。
- 省エネ:長距離の配線でも、電気のロスを少なくできます。
注意点
- 互換性:違うメーカーのコネクタ同士を組み合わせると、うまく接続できないことがあります。
- 偽物に注意:本物そっくりの偽物が出回っています。偽物を使うと、接続が悪くなったり、火災の原因になったりすることがあります。
違うメーカーのコネクタは混ぜないで!
違うメーカーのMC4コネクタを組み合わせるのはやめましょう。うまく接続できないだけでなく、安全上の問題が起こる可能性があります。
MC4コネクタの種類
- オス型とメス型:基本の形です。
- MC4コネクタ 4 in 1 / 2 in 1:複数の太陽光パネルをまとめて接続できます。
- MC4マルチブランチコネクタ:太陽光パネルを並列につなぐときに使います。
MC4延長ケーブル
太陽光パネルと、チャージコントローラー(充電を制御する装置)やパワーコンディショナー(電気を変換する装置)との距離が離れている場合、MC4延長ケーブルを使って接続を延長できます。
MC4コネクタを作っている会社
MC4コネクタは、色々な会社で作られています。
- Stäubli Electrical Connectors(スイス)
- Gaurang Auto(インド)
- Phoenix Contact(ドイツ)
- TE Connectivity(スイス)
- …など
MC4コネクタの取り付け方
- ケーブルを必要な長さに切ります。
- ケーブルの先端の被覆を剥きます。
- MC4コネクタの部品をケーブルに通します。
- 専用の工具で端子をケーブルに圧着します。
- コネクタを組み立てます。
- 防水処理をして、しっかりと締め付けます。
注意すること
- 電気が流れている状態で、MC4コネクタを抜き差ししないでください。
- 規格に合ったケーブルを使いましょう。
- 本物のMC4コネクタを使いましょう。
まとめ
MC4コネクタは、太陽光発電システムを安全に、そして効率よく使うために、とても大切な部品です。正しく使って、太陽光発電を快適に利用しましょう。
また、MC4コネクタに刻印されているプラスとマイナスは極性を表していません。オスとメスの形状を表しているだけです。極性を確かめるときはチェッカーで確認しましょう。