太陽光発電を検討していると、「P型ソーラーセル」や「N型ソーラーセル」といった言葉を目にすることがありますよね。今回は、その中でも長年太陽光発電を支えてきた「P型ソーラーセル」について、わかりやすく解説します!
ソーラーセルの基本:「P型」と「N型」って何が違うの?
まずは、ソーラーセルの基本から。ソーラーセルは、太陽の光を電気に変える、とってもエコな部品。このソーラーセルには、大きく分けて「P型」と「N型」の2種類があります。
この違いは、使われているシリコン半導体の種類によるもの。
- P型シリコン: 「正孔(せいこう)」と呼ばれる、プラスの電気を運ぶ粒子を多く含むように加工されたシリコン。
- N型シリコン: 「電子」と呼ばれる、マイナスの電気を運ぶ粒子を多く含むように加工されたシリコン。
例えるなら、P型は「プラスの配達員さんがいっぱい」のシリコン、N型は「マイナスの配達員さんがいっぱい」のシリコン、という感じです。
なぜ「P型」が主流だったの?
実は、N型ソーラーセルの方が性能が良いのに、なぜP型が主流だったのでしょうか? それは、P型には以下のメリットがあったからです。
- 作りやすい!: P型シリコンは、N型に比べて製造プロセスが比較的簡単。
- コストが安い!: 製造が簡単ということは、それだけコストも抑えられるということ。つまり、お財布に優しいんです。
これらの理由から、P型ソーラーセルは長年、太陽光発電の主役として活躍してきました。
P型ソーラーセルの弱点…?
しかし、P型ソーラーセルにも弱点があります。それは…
- 光で劣化する…?:太陽の光を浴び続けると、徐々に発電効率が落ちてしまう(劣化する)ことがあるんです。これを「LID(光誘起劣化)」と呼びます。
- N型より少し効率が低い:N型と比べると、一般的に変換効率はやや低めになります
P型ソーラーセルはダメなの?
いいえ、そんなことはありません!
P型ソーラーセルは、コストパフォーマンスに優れた選択肢です。初期費用を抑えたい場合や、設置面積が広く、多少効率が低くても十分な発電量が得られる場合には、P型ソーラーセルが適していることもあります。
また、最近では、P型ソーラーセルの弱点を克服する技術(PERC技術など)も開発されており、P型でも高い発電効率を実現できるようになってきています。
まとめ:P型ソーラーセルは「バランスの良い優等生」
P型ソーラーセルは、製造のしやすさ、コスト、性能のバランスが取れた、いわば「優等生」のような存在です。
太陽光発電を検討する際には、「P型」と「N型」、それぞれの特徴を理解して、ご自身の状況に合ったソーラーパネルを選ぶことが大切です。
「初期費用を抑えたい」「とにかく安く導入したい」という方は、P型ソーラーセルもぜひ検討してみてくださいね!