NOCTとは、屋外に近い条件でソーラーパネルのセル温度がどれくらいになりやすいかを示す目安です。
英語では Nominal Operating Cell Temperature と書かれます。日本語では「公称動作セル温度」と呼ばれます。
ソーラーパネルの定格出力は、STCという標準試験条件で測られます。一方、NOCTは実際の屋外に近い条件でセル温度を考えるための指標です。
なぜNOCTが重要なのか
ソーラーパネルは、温度が上がると出力が下がりやすくなります。
そのため、同じ定格Wのパネルでも、実際に使ったときに温度が上がりにくいパネルのほうが、高温時の出力を保ちやすい場合があります。
NOCTの値が低いほど、一定の条件下でセル温度が上がりにくい目安になります。
一般的なソーラーパネルでは、NOCTは45℃前後で記載されることがあります。ただし、製品構造や設置方法によって実際の温度は変わります。
STCとの違い
STCは、ソーラーパネルの性能を比較するための標準試験条件です。
STCでは、セル温度25℃などの条件で定格出力が測られます。
一方、屋外でソーラーパネルを使うと、セル温度は25℃より高くなることが多くあります。日差しが強い日には、外気温よりパネル表面温度のほうがかなり高くなることもあります。
NOCTは、この「実際に使うとパネルは熱くなる」という前提を考えるための指標です。
代表的には、日射強度800W/m²、外気温20℃、風速1m/sなどの条件で示されます。
ポータブル電源との関係
NOCTは、ポータブル電源に接続できるかどうかを直接判断する数値ではありません。
接続可否を見るときは、開放電圧、最大動作電圧、最大動作電流、短絡電流、出力端子を確認します。
NOCTは、発電量の期待値や、夏に出力が伸びにくい理由を考えるときに役立ちます。
たとえば、同じ100Wパネルでも、温度が上がりにくい構造のほうが、高温時に出力を保ちやすい可能性があります。
温度係数と合わせて見る
NOCTだけを見ても、発電量の変化は判断しきれません。
温度がどれくらい上がりやすいかを見るのがNOCTで、温度が上がったときに出力がどれくらい下がるかを見るのが温度係数です。
そのため、高温時の発電性能を考えるなら、次の2つを合わせて見るのが自然です。
- NOCT
- Pmax温度係数
NOCTが低く、Pmax温度係数の絶対値も小さいパネルは、高温時に出力を保ちやすい可能性があります。
仕様表で見る場所
NOCTは、ソーラーパネルの詳細仕様や取扱説明書に書かれることがあります。
表記は製品によって異なります。
- NOCT
- Nominal Operating Cell Temperature
- 公称動作セル温度
- 動作セル温度
ただし、ポータブルソーラーパネルではNOCTが記載されていない製品も少なくありません。
記載がない場合は、定格出力、温度係数、セルタイプ、設置時の風通しなどから、実使用時の出力を控えめに見積もります。
注意点
NOCTは、同じ条件で比較するための目安です。
実際のパネル温度は、設置角度、地面からの距離、裏面の風通し、パネルの色や構造、周囲の反射、風の強さで変わります。
地面やベランダにべた置きすると、裏面の熱が逃げにくくなり、パネル温度が上がりやすくなります。
夏に発電量を少しでも安定させたい場合は、パネル裏面に風が通るように設置することも大切です。