夏の晴天で出力が伸びないなら、パネル温度の上昇が関係しているかもしれません。ソーラーパネルは日射が強いほど発電しやすい一方、本体が熱くなると出力が下がりやすくなります。
定格100Wや200Wという数値は、標準試験条件で測った比較用の値です。屋外では、パネル温度、角度、影、風、ケーブル、ポータブル電源側の入力制限によって、入力Wが変わります。
パネルが60℃になると、温度だけで約14%下がる計算
一般的な結晶シリコン系のパネルでは、温度が上がると最大出力が下がります。この下がり方を示すのが、Pmax温度係数です。
Pmax温度係数が「-0.4%/℃」のパネルが60℃になった場合を考えてみます。標準試験条件の25℃から35℃上がっているので、温度だけで約14%下がる計算です。
35℃ × 0.4% = 14% → 100Wパネルなら約86W
夏に晴れているのに定格Wまで届かないのは、珍しいことではありません。
実測では、冷やすと入力が7〜12%ほど戻った
Renogyの220W両面パネル2枚とポータブル電源を使い、パネルを冷やした前後の入力Wを比べました。
| 条件 | 冷却前 | 冷却後 | 増加率 |
|---|---|---|---|
| 4月の快晴日・外気温21℃ | 表面45.9℃・343W | 28.2℃・369W | 約7.6% |
| 夏日・外気温34℃(単体接続) | 58.2℃・138W | 25.4℃・155W | 約12.3% |
温度差が約18℃のときは約7.6%、約33℃のときは約12.3%の差が出ました。日射条件が良い日でも、パネルが熱くなるほど出力は抑えられていたことになります。
仕様表では「Pmax温度係数」と「NOCT」を確認する
製品仕様を見るときは、次の項目を確認します。
- 定格出力
- Pmax温度係数
- NOCT
- セルタイプ
- 開放電圧
- 最大動作電圧
- 最大動作電流
温度係数やNOCTが書かれていないポータブルソーラーパネルもあります。その場合は、真夏の実出力を定格Wより低めに見積もっておくと、現実に近くなります。
対策:太陽に正対させ、裏面に風を通し、本体は日陰へ
まず、パネルを太陽に正対させます。影や汚れも避けましょう。少しの影でも、パネル全体の出力に影響することがあります。
夏は、パネル裏面に風が通るように置くと、熱がこもりにくくなります。地面やベランダにべた置きすると、裏面の熱が逃げにくくなるので注意したいところです。
ポータブル電源本体は、できるだけ直射日光を避けて置きます。パネルは日なた、本体は日陰。この分け方が基本です。
冷やせば増えるが、散水を常用するのはおすすめしにくい
パネルを冷やせば、出力が増えることはあります。ただ、散水や水冷を常用する前提で考えるのはおすすめしません。コネクタやケーブルの防水、急な温度変化、濡れた状態での取り扱いなど、別のリスクが増えるからです。
夏の出力は、定格Wだけで判断せず、温度による低下も含めて見積もっておくと安心です。