ソーラーパネルを冷やすと、発電量が増えることがあります。一般的な結晶シリコン系のパネルは、温度が上がると出力が下がりやすい性質を持っています。逆に温度が下がれば、同じ日射条件でも入力Wが増える場合があります。

実測では、冷やすと入力が7〜12%ほど増えた

Renogyの220W両面パネル2枚を使い、パネル温度を下げた前後の入力Wを比べた結果です。

条件冷却前冷却後増加率
4月の快晴日・外気温21℃表面45.9℃・343W28.2℃・369W約7.6%
夏日・外気温34℃(単体接続)58.2℃・138W25.4℃・155W約12.3%

外気温が高く、パネルが熱くなっている日ほど、冷やしたときの伸びは大きくなりました。

増える理由は「温度係数」

ソーラーパネルの仕様表には、Pmax温度係数という項目が書かれていることがあります。「-0.38%/℃」なら、パネル温度が1℃上がるごとに最大出力が約0.38%下がる、という意味です。

反対に、パネル温度が下がれば、そのぶん出力の低下は小さくなります。冷やして入力Wが増えたのは、この仕組みによるものです。

水をかけて冷やす運用は、おすすめしにくい

水をかければ、パネル温度は一時的に下がります。ただ、ポータブルソーラーパネルで散水や水冷を常用するのは、慎重に考えたほうがいいでしょう。

気をつけたいのは、コネクタ、変換ケーブル、ポータブル電源本体です。パネル面が防水でも、接続部や変換アダプターまで水に強いとは限りません。熱くなったパネルを急に冷やすことが、素材や表面の負担になる可能性もあります。

現実的なのは、熱がこもらない置き方

日常的には、水で冷やすより、熱がこもりにくい置き方を意識するほうが扱いやすくなります。

  • パネル裏面に風が通るようにする
  • 地面やベランダへのべた置きを避ける
  • 影が入らない範囲で角度を調整する
  • ポータブル電源本体は日陰に置く
  • ケーブルやコネクタを濡らさない

夏は、パネルだけでなくポータブル電源本体も熱くなりやすい季節です。パネルは日なた、本体は日陰。この置き方を基本にしてください。

すでに入力上限に達していれば、冷やしても表示は伸びない

冷やせば必ず大きく増える、というわけではありません。発電量は、日射量、角度、影、雲、ケーブル、ポータブル電源側の入力制限にも左右されます。

ポータブル電源の最大入力Wにすでに達しているなら、パネル温度を下げても表示Wはほとんど変わらないでしょう。冷却は、発電の仕組みを理解するための実験としては役立ちます。普段の運用では、風通しと設置方法を整えるほうが現実的です。